テスラ2021年Q2決算まとめ

こんにちはテスカスです!

テスラは7/27、2021年Q2の決算発表を行いました。

ポイントは以下の3つ

①純利益、前年同期比11倍!過去最高の11億4,200万ドル(1260億円)

②規制クレジット販売を差し引いても黒字維持

③4680セルは大量生産に課題、セミトラックは2022年に延期、サイバートラックは順調

デリバリー台数

 モデルS・Xモデル3・Y合計
2020 Q210,61480,27790,891
2021 Q21,895199,409201,304

モデルS、Xはフルモデルチェンジで生産ラインがうまく稼働していない為、デリバリー台数は大幅減。モデル3、Yに関しては中国でモデルYが爆発的な人気を誇り、2021年5月の登録台数はモデル3を抜いています。

ギガ上海は2021年4月、一時的に操業を停止していた為、生産台数はMAXではありません。7月以降はモデルYスタンダードレンジの販売が始まった事もあり、Q3のデリバリー台数には期待できそうです。

生産拠点

カリフォルニア・テキサス

画像:Tesla IR

モデルSの生産は順調に増加していく計画。アメリカで生産したモデル3/Yの大部分が北米国内でデリバリーされました。ギガファクトリーテキサスの建設は、第2四半期に引き続き進捗し、工場の一部で試運転を開始しています。

上海

ギガ上海では、サプライチェーンの課題や工場のアップグレードによる小規模な中断がありましたが、生産は堅調に推移。中国でモデルYスタンダードレンジを導入し、補助金適用後の価格は466万円〜となっています。アメリカでの大きな需要とグローバルな平均コストの最適化により、ギガ上海が主要な輸出拠点となりました。

ベルリン

テスラの生産ラインは可能な限りのスピードで稼働していますが、欧州の需要は依然として供給を大きく上回っている状況。その結果、デリバリーまでの待ち時間が長くなっています。工場内に設備の設置を進め、テストを開始し、ベルリンでの生産開始に向けて可能な限り迅速に取り組んでいます。

コアテクノロジー

オートパイロット・完全自動運転

2021年6月時点で160万台以上の完全自動運転対応車を販売してきたテスラはついにミリ波レーダーの除去を開始しました。膨大なデータセットを収集することで、今後はアメリカを皮切りにビジョンベースのシステム構築を開始します。7月にはFSD V9ベータ版の配布を開始し、ユーザーから高い評価を獲得しています。

車両ソフトウェア

テスラのエンジニアリングチームは、世界的な半導体不足に対応するため、19種類の新しいチップとそれらに適合したソフトウェアの開発、検証に全力で取り組んでいます。半導体の不足による混乱に迅速に対応し、それを緩和するための比類ない能力を発揮しました。

イーロンマスク
イーロンマスク

今四半期はエアバッグとシートベルトを制御するモジュールに苦労した。安全機能がなければ、消費者に製品を出荷することは不可能。
チップの供給は、生産台数を左右する要因となっている。この状況がいつまで続くのかは、基本的に我々の手に負えないため、何とも言えない。

バッテリーとパワートレイン

テスラはカリフォルニア州のKATO工場で生産された4680セルの性能と寿命の検証に成功しました。品質と生産歩留まりは実行可能なレベルに達しており、現在は生産するにあたってのボトルネックとなっている10%の製造プロセス改善に焦点を当てています。大きな進歩がありましたが、大量生産を実現するにはまだ課題が残っています。

さらにテスラは前後にメガキャスティングを採用し、電池の塊自身がシャシーの一部となったモデルY衝突試験を成功させました。

エネルギーストレージ

メガパックの受注が好調で、第2四半期に前年同期比で3倍以上に増加。パワーウォールは引き続き非常に人気が高く、導入数は前年同期比で約2倍に。

しかし、エネルギーストレージ製品の生産はサプライチェーンの問題で滞り気味であり、バックオーダーが積み重なっているとの事。

ソーラールーフ・パネル

Q2の太陽光発電の導入量は85MWに達し、前年同期の3倍以上に。また、現金払い・融資による導入量は前年同期の4倍以上となりました。ソーラールーフの導入量は、前年同期比だけでなく、前四半期比でも大幅に増加しました。ソーラー+蓄電池は非常に人気があり、設置作業効率も引き続き向上しています。

サービス・その他

サービス&その他の第2四半期の売上総利益率はほぼ収支均衡となり、過去4年間で最高の結果となりました

Q&A

サイバートラックは本当に2021年後半に生産開始されるの?

イーロンマスク
イーロンマスク

基本的なエンジニアリングは完成している。サイバートラックでは車両の製造方法を再定義するつもり。基本的にはモデルYの生産が優先されるが、2021年後半にはサイバートラックの生産拡大を目指す。

いつも言ってるがプロトタイプは簡単に作れるが、大量生産難しい。テスラは大規模な製造物のスケーリングを史上最速で行っている。サイバートラックとセミトラックはどちらも電池を大量に使うので、この2つの車のために電池を確保しなければならない.。2022年はセルの供給量が2倍になると考えている

2021年後半にスーパーチャージャーネットワークを他社のEVに開放すると言っていましたが、詳細を教えてください。

イーロンマスク
イーロンマスク

テスラアプリを用いたシンプルなものにしたい。

スーパーチャージャーに行き、どのストールを使うか選択するだけ。基本的にほとんどのメーカーの車に対応出来る。スーパーチャージャーは小型軽量でデザインも良いため、最適なコネクターだ。チャデモ→テスラコネクターの変換アダプタも作成する。

テスラの目標は持続可能エネルギー社会への加速を支援することであり、スーパーチャージャーネットワークを利用して競合他社を打ち負かすことではないということを強調しておく。ネットワークの利用率を高めることで、コストが削減され、すべてのお客様への料金を引き下げることが出来る。収益性も高まり、スーパーチャージャーネットワークをより早く成長させることができるということも重要。何があっても、テスラはスーパーチャージャーを積極的に拡大していき充電速度をさらに向上させる。ダイナミックプライシングを使って充電渋滞を防ぐためのトリッププランナーを改善し、すべてのお客様になるべく安く提供することを考えていく。

規制当局はテスラのFSD技術を理解してるのか?規制上問題ないか?

イーロンマスク
イーロンマスク

少なくとも米国では、規制が根本的な制約になるとは考えていない。私たちは、この技術を実用化し、信頼性が平均的な人間のドライバーを大幅に上回ることを実証しなければならない。ネットに繋がったテスラは160万台以上走行しているので、統計的な根拠に基づいて議論を進めることができる。ドライバーがオートパイロットをl解除した数や、事故につながるイベントなど何十億マイルもの走行距離に基づいて説明できる。

少なくともテスラのAP(オートパイロット)は平均的な人間のドライバーと比べて安全性が2~3倍以上高い。人間より安全性が高いシステムを認めないのは、非論理的だと思う。

かつてはエレベーターのオペレーターがいて、彼らがエレベーターを操作していた。しかし人間はミスをするので誰かの体がエレベーターのシザーに挟まれるような事故もあった。自動車の運転も手動で操作するのは危険と言われるほどFSDは安全なシステムになるだろう。エレベーターに乗って、ボタンを押せば、安全に連れて行ってくれるのと同じこと。

今後の見通し

生産ボリューム

生産能力を可能な限り迅速に拡大することを計画しています。2030年まで毎年+50%の自動車販売台数の増加を見込んでいます。2021年はそれ以上に飛躍する年になるとテスラは予測しています。

現金

2021年第2四半期に負債を16億ドル削減したため、現金は162億ドルまで減少しています。(6億ドルのフリーキャッシュフローで一部相殺)製品ロードマップ、長期的な生産能力拡大計画、その他の費用を賄うための十分な流動性を有しています。

利益

営業利益率は11%に到達。トヨタの営業利益率が8%であることを考えると、テスラは業界トップレベルに達している事がわかります。

製品

2021年にベルリンとテキサスでモデルYの最初の車両を生産する計画に変更はありません。それぞれの生産立ち上げペースは、多くの新しい技術が成功するかどうか、サプライチェーンの課題や規制当局による許可の有無に影響されます。テスラは工場建設に注力するため、また、バッテリーセルの入手が限られていることやサプライチェーンの課題を考慮し、セミトラックの生産開始時期を2022年に変更しました。

モデルYの次に生産する予定のサイバートラックの進捗は今のところ順調とのこと。

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