日経による報道
国交省はドライバーの目の動きや体の状態を撮影するカメラの搭載をメーカーに求める。脈拍などを計測するセンサーや、ドライバーを監視して異常時に警告を発する装置の搭載も検討する。
自動運転に対応する車両に対してなんと生体センサーの搭載義務付けを検討しているとの報道です。
嘘やん。。。
まあ日経ですので飛ばし記事と思っておいても良さそうですが、万が一生体センサーが義務化されたらテスラが目論む自動運転はどうなってしまうのでしょうか!
掘り下げていきます。
生体センサーの定義って??
国交省は自動運転車に対する生体センサーの具体的な定義はしていません。
2018年9月に策定された自動運転車の安全技術ガイドラインによると
●レベル3の自動運転車については、次の機能を有する HMI を備えること。
運転者がシステムからの運転操作を引き継ぐことが出来る状態にあることを監視し、必要に応じ警報を発することができる機能(ドライバーモニタリングシステム等)
●無人自動運転移動サービスに用いられる車両の安全性
運行管理センターから車室内の状況が監視できるカメラ、音声通信設備を設置すること。
となっており、テスラがサービスインしようとしているロボタクシーなどのサービスはカメラによる監視を最低条件として想定している事がわかります。
生体センサー義務化は杞憂?
とはいえ民間企業にとっては大きなビジネスチャンスですからどう転んでもいいように、技術開発を進めています。
九州工業大学 座布団型の圧膜センサー
本学で開発した非接触生体センサは、雑音除去技術等をコア技術とした座布団型の圧膜センサです。運転席のシートに置くだけで基本的に身体には何も装着せず、非接触により姿勢や呼吸、心拍等の生体情報を測定します。今回の実証実験では、当該センサにより運転時の姿勢を計測・分析することにより、居眠りや疲労を検知
アルプス電気
加速度センサーやガスセンサー、音波センサーを組み合わせる。目や血流、呼気から精密な情報を算出し、眠気やアルコール摂取の有無などの覚醒状態を把握できる。声やジェスチャーなども検知できるため操作方法もより直感的にできる。シートやハンドルなどに搭載するほか、レーダー内の搭載も検討する。運転手の生体情報の収集・分析は完成車メーカーを中心に進んでいる。
アルプス電気が車載用生体センサー、ドイツの完成車メーカーと共同で
モデル3のシートにもセンサーがあります
テスラによる特許出願「自動車乗員分類システムと方法のためのセンサー」より引用
このシートセンサーはあくまでもエアバッグの最適な展開のためのものです。
単純に座ってるか座ってないかを判断するだけでなく、重量センサーによって子ども、大人を識別。
また、どのようにシートに触れているかまで識別し最適なエアバッグ展開を可能とします。
どんなシチュエーション??
まあ子どもの状態を想定してるのでしょう。
結構いろんな姿勢を読み取れる事がわかります。
モデル3のインカメラ
ちなみにモデル3にはロボタクシーがサービスインした時に必須となる車内監視カメラはすでに備わっています。
ただし画角やf値などは今まで明らかにされておらず、未だ謎が多い装備の一つです。
⇩分かっている範囲で解説しています。
結局は日本の独断では決めれない
国交省の自動運転に係る国際的な車両安全基準の策定によると
自動運転に必要な要件は国連自動車基準調和世界フォーラムを通じて国際基準を策定する、とあるのでそんなにおかしな方向には進まないんじゃないかと感じています。
コメント
衝突安全基準は国内と海外では基準が全然違います。欧州が一番厳しいです。米国、国内、中国も違います。某メーカーでドアの組立を見学しましたが同じ車種でも4種類のドアがありました。それぞれの安全基準を満たすためとコストの関係で4種類になってるそうです。中国向けのドアは軽く中身がスカスカでした(笑)欧州は重くて中に多数の補強がされてました。
自動運転の基準も世界共通の部分もあるでしょうが、国内独自の基準もできるとおもいます。自動運転が目当てでテスラを買うのであれば時期尚早でしょう。