先日開催された決算発表でフォードCEOがテスラのFSDライセンス契約について検討していることを明らかにしました。
現状の選択肢としては自社開発をするか、FSDをライセンス契約するか、Waymoと提携するか、この3択のようです。近いうちに判断を行うとのこと。それでは当該部分の翻訳をお届けします。
「そうですね。まさに今、我々は大きな決断を下す局面に差しかかっていると思います。ご覧の通り、レベル3(の自動運転)はすぐそこまで来ています。実際、私たちのBlueCruiseは累計で3億マイル(約4.8億km)を超える走行データを積み上げており、お客様からサブスクリプション料(利用料)をいただく形で稼働しています。最近、価格は引き下げましたが、それでもなお事業として一定の収益性を保てる余地があると見ています。
さらに言えば、Argoから合流した優秀なエンジニアたちが社内にいて、彼らはレベル2からレベル3へ移行する高度なシステムを開発中です。我々は“業界初”という派手な見出しを奪うことが目的ではありませんが、実装面ではトップレベルのクオリティになると確信しています。BlueCruiseに目を向ければ、レベル2の自動運転技術としてはすでに各種のコンシューマーアワード(ユーザー評価)でも高い評価を得ていますし、レベル2+に至るのも時間の問題です。
レベル3についても、特に高速道路の“アイズオフ(ハンズフリーかつ目を離してもよい)”を解放する上で大きなブレイクスルーになると考えています。現時点で、社内に揃えた開発能力には非常に手応えがあります。ただ、だからといって「自分たちだけで全て完結できる」と過信しているわけではありません。いずれはレベル4の“パーソナルユース(個人所有向け)”が面白い市場になるとも考えており、そこでの技術進捗も大きいです。
そこで私たちは、米国国内だけでなく世界規模で戦略を検討すべきタイミングだと判断し、今回のようなアナウンスを行いました。要は「パートナーを組むべきかどうか」「それともレベル4個人向け自動運転へ社内チーム単独で突き進むのか」を慎重に見極めるために、強力な戦略チームを整えようとしているわけです。Argoの件でもご理解いただいたように、私たちは市場規模の大きさに浮かれて突き進むのではなく、冷静かつ実務的な判断を下すつもりです。その結果として、フォードの立ち位置をしっかり確立できるはずだと思います。
具体的には、当社にいるサミやダグなどのチームの技術力を非常に高く評価しています。彼らはTeslaのFSDシステムをはじめ、Waymoの技術や、そのレベル4の個人向けサービスが一般化してきた際の状況など、業界に存在するオプションを熟知しています。ですから、私たちは正しい決断ができると思いますし、フォードがパートナーシップを構築するかどうかの判断は、そう遠くないうちに下されるのではないかと考えています。
Attachments:
