35,000円引きになるテスラ紹介コード

新型モデルY開発担当者Larsのインタビュー!日本語文字起こし

トップ トップ モデルY 新型モデルY開発担当者Larsのインタビュー!日本語文字起こし

1件の投稿を表示中 - 1 - 1件目 (全1件中)
  • 投稿者
    投稿
  • #83182 返信
    テスカス
      • 車: Model 3 LongRange 白

      質問者
      「今日は新型モデルYについていくつか質問します。君はサイバートラックに多く関わってきたけど、あれはある意味ロックスターのような車だ。世界で一番売れている車であるモデルYを改良するとなると、違う視点が必要だよね。より難しいんじゃないか?」

      テスラ(Lars)
      本当に頭を悩ませるよ。なぜなら、世界中で120万台以上も売れている車なら、すでに多くのことを正しくやってきたはずだからね。一方サイバートラックでは『何でもやってしまえ』って感じで、何になるか分からなかったから自由に決められた。でも、人々が大好きな『レシピ』を壊したくはないんだ。エンジニアリングを進めながら、何を変えるべきか、何を分析するかを考える過程は、本当に難しい。時には『あれは素晴らしかったし、みんなも気に入ってたから、変える必要はない』といった分析麻痺に陥ることもある。小さな部分、例えばステアリングの応答や、ドアの開き方、シフトレバーの配置など、すべての小さな要素が素晴らしい体験を構成しているんだ。そして、改善したいと願うエンジニアたちと一緒に、バランスを取らなければならない。まるで、タイルを動かしてパズルを完成させるようなものだ。

      質問者
      「新型モデルYで『これは絶対に改善したい』と思った点は?」

      テスラ(Lars)
      モデルYはもともと家族向けの車になると分かっていた。しかし、テスラはいつも速い車、スポーティな車を作ってきた。見た目も鋭く、スポーティ感がある。だから、特に後部座席の乗員や、フロントシートのドライバーに、より良い運転体験・乗り心地を提供したいと思ったんだ。つまり、快適性を向上させつつ、テスラらしいアジリティを失わないようにしなければならなかった。

      ふわふわした車にはしたくなかったんだ。それを実現するのは本当に難しかった。レスポンスを落とさずに乗り心地を改善するために、第一原理に基づくエンジニアリングをたくさん行った。そして、さらに、車に乗ったときの感覚は、座席だけでなく、音や音響空間にも影響される。そこで、NVH(車体の振動)や衝撃音の低減にも多く取り組み、その結果はかなり良いものになったと思う。個人的には運転が今も大好きだし、車が好きな僕にとって、家族向けとしては格段に良くなっていると思う。実際、後部座席の乗り心地や実用性が大きく向上している。

      質問者
      「1時間ほど試乗してみたけど、旧モデルとは全く違う印象だった。たった100フィート以内でその違いを感じ取れたよ。」

      テスラ(Lars)
      車を売るとき、最初の100フィートで印象を与えなければ、お客さんの心をつかめないからね。だから、どんな変更がその最初の100フィートで感じられるかが重要な判断基準になるんだ。

      質問者
      「面白いと思ったのは、ハンドリングの調整。サスペンションがすぐ柔らかく感じるのに、だらしなくない。どうやって柔らかくてもしっかりした状態を作り出した?」

      テスラ(Lars)
      どうやって柔らかさと剛性のバランスを取ったのか?これは非常に難しい課題だ。特にパッシブシステムでは、モデルYはモデルS、Xやサイバートラックのようなアダプティブダンピングを採用していない。

      そこで、問題の源、つまりタイヤから見直すことにした。新しいタイヤを採用し、まずはタイヤをしっかりとした基盤にする。通常、ローリング抵抗を下げるとハンドリングが犠牲になるが、コンパウンドやサイドウォールの改良によって、より柔軟なタイヤを作り上げた。モデルSの時からサプライヤーと一緒にタイヤの開発をしてきた。

      今回のタイヤには、ミシュラン・パイロットスポーツ用の新しいトレッドコンパウンドが採用され、最初の100フィートで触感を感じやすくするために、トレッドを柔らかくしている。しかし、柔らかくするとローリング抵抗が高くなるので、複数のトレッドコンパウンドをタイヤ全体に配置し、バランスを取っている。そして、タイヤ自体の垂直方向のコンプライアンスを抑えることで、小さな衝撃を吸収し、より安定した基盤を作り出している。

      その基盤ができたら、次はサスペンション設計に取りかかる。旧モデルYで弱点を把握していたので、車の開発期間は1〜2年あるけれど、生産に入ると制約がある。ギガファクトリー・ベルリンでは最近新型モデルYの生産が始まった。初日2日で約450台作られたと聞いた。なかなか順調なスタートだ。しかし、生産にはサプライヤーや工場ごとの制約があるので、その中でどう動かすかが重要だ。

      新型モデルYでは、まずどこを強化するか、どう調整するかを考え、まずは車体のねじれ剛性が弱い部分を、5~10%向上させた。各接続点の剛性も最大20%向上。これにタイヤの改良を組み合わせることで、車体とタイヤの両方でより良い基盤ができ、サスペンションが本来の役割を果たせるようになった。

      そして、その上でさらにサスペンションの性能を引き出すために、キネマティクス(運動学)に注力し、バッシング部品の不要な動きを抑え、キネマティクス自体も調整。結果として、機械的な特性をよりうまく吸収し、ステアリング比もやや遅めに設定した。

      一見、テスラらしいスポーティな感覚を損なうように思えるかもしれないけど、実際はドライバーにとって圧倒的に良い走行体験を提供する。スポーティさは単に速さだけでなく、操作が予測可能で直線的かつ段階的に変化することが重要。結果、従来の約11:1という速い比率は維持しつつも、可変ステアリング比のおかげで、しっかりとしたフィードバックが得られるようになった。これにより、ドライバーは安心感とスポーティさの両方を感じられる。

      また、走行中のノイズ抑制や音響面での改善も大きな成果となった。もちろん、アコースティックガラスやホイールライナーの吸音材などの追加対策は施しているが、本質的な改善は、サスペンションのチューニングや車体剛性の向上によって、路面から伝わる振動や音を根本から低減できた点。結局、路面と接しているのはタイヤのみという事実に立ち返り、タイヤ、サスペンション、そして車体の一体設計で「源を直す」ことで、キャビン内がまるで雲の上にいるかのような隔絶感を実現している。これにより、特に疲れた日やストレスが溜まったときに、運転中の心地よい「解放感」が大きな魅力となっている。

      さらに、後部座席向けには新たにBluetooth機能が追加され、2組のヘッドフォンを同時に接続できるようになった。これにより、後部に乗る人々は、自分の世界に没頭することができ、家族と無理に会話する必要がなくなるため、より快適な環境が提供される。こうした細かな改善が、結果としてより完成度の高いSUVへと昇華している。

      質問者
      「モデルYって世界で一番売れてる車ですよね。それもEVだけでなく、すべての車の中で。イーロンから「世界一売れてる車をさらに改良しろ」と言われた時、頭を悩ませた?」

      テスラ(Lars)
      エンジニアとして、私は「現状に満足してはならない」という考えを常に持つよう訓練されている。モデルYが発表された瞬間から、改善のためのアイデアが頭から離れず、常に「何をどう変えるべきか」を考え続けていた。

      しかし、全世界で120万台以上の車に関わるということは、数百社に及ぶサプライチェーンや、各国・各工場で一律の仕様を維持するという大きな課題を伴う。たとえば、ダンパーを従来のものから周波数適応型へ変更する場合、異なる地域、異なる工場、そして異なる組立方式を持つ複数のサプライヤーと、全く同じ仕様を実現しなければならない。これは、まるで「走行中に車輪を交換する」ような難しさがある。先週の金曜日には旧モデルYの最終生産が終了し、月曜日には新型モデルYの生産が始まるという、絶えず動き続ける現場での作業だ。

      質問者
      「最近、日本でバッテリー関係の方々とお仕事してて、EVの未来についてお話ししてたんですが、電気自動車の次の大きな挑戦やステップって何だと思いますか?全固体電池?それとも他の何か?」

      テスラ(Lars)
      ご存知の通り、アメリカでは自動運転が大きな注目を集めている。数ヶ月後にはこちら(ヨーロッパ全域、ドイツ、ベルリンのいずれかを指している)でも始まるし、10年後に世界が自動運転になったらどうなるか、ってことがいつも頭にある。特にアメリカで無人運転に近づいているので。でも、それ以外では効率をずっと追求しているよ。効率って、いろんなところから来るものだと気づいた。パワートレインもタイヤも空力も大事。

      年々バッテリーセルの技術は少しずつ良くなっている。皆さん、全固体電池のような大きな進化を期待されていますが、すぐには難しいし、できても高額になります。ラボレベルで作るのは可能でも、量産でやるのは大変。だから、私たちはすべてを少しずつ改良し続けている。毎年、航続距離は伸びているしね。

      普及を広げるには、航続距離を伸ばして不安をなくすことと、充電速度を上げることが大事。皆さん「バッテリーからじゃないと」と言うけど、私たちにとっては、電費を改善すればすべてが良くなる。必要なバッテリーが減るし、充電時間も短くなる。この車だと、航続距離が5~10%上がっているが、私たちにとって大事なのは実際の顧客のデータ。フリートの航続距離が10%良くなることが分かっている。

      この車の空力はCDが0.22まで下がっていて、古い車よりずっと優れている。でも実は、タイヤやベアリング、低電圧負荷、ブレーキドラッグからも来ている。この車にはかっこいいブレーキシステムがあって、ブレーキ・バイ・ワイヤに油圧パススルーを使っている。安全のために油圧は残しているが、オートパイロットでペダルを動かさずにブレーキをかけられる。

      そのため、パッドを少し長く引けるようにした。油圧の動きを速くして、ブレーキの感触を保ちつつ、走行中のディスクの摩擦を減らした。こういう小さな改良が積み重なっている。新しいベアリング、タイヤ、ブレーキ、ドライブユニットのオイルポンプも改良したし、新しい液体もある。「キックアス・フルード(めちゃ最高なフルード)」と呼んでるが、摩擦が減ってテスラらしいよ。

      それに、後輪モーターに新しいセグメントマグネットを入れて、少し効率を上げた。これらの改善を全部足すと、バッテリーを変えなくてもいいんだ。どれか1つが目玉じゃなくていい。テスラが新バッテリー技術で航続距離10%アップ!と言わなくても、ただ少しずつ良くすればいい。

      質問者
      「次は何に取り組まれますか?」

      テスラ(Lars)
      次の数ヶ月はモデルYの生産をフル稼働に戻すのに忙しい。それが頭を占めている。今ベルリンにいるのも、この工場が最初に切り替えたから。厳密には上海が先だったかもしれないけど。量産のことが頭の中をほぼ全部占めてる。

      その後は、セミやサイバーキャブがすぐ控えている。新車がたくさん出てくるよ。この夏には低価格モデルもあるし、今年はテスラのラインナップが大きく変わる。全部把握するのは大変だけど、ワクワクするね。

      私たちはまだ小さなチーム。全部足しても、10年前の仕事の半分の人数だよ。それで2倍の数の車を作ってる。エンジニア1人当たりの車の比率が半分って、信じられないよね。

      質問者
      「お仕事は楽しんでらっしゃいますか?」

      テスラ(Lars)
      大好きですよ。働く必要はないんだけど働きたいんです。『仕事』って感じじゃなくて、趣味が仕事になってるみたいで、本当にラッキー。家にも車があって、古いものをいじっている。一番好きなのは1964年のボルボP1800S。ボルボで一番かっこいい車だよ。

      意外かもしれないけど、私がエンジニアとして関わった車は残しています。モデルTもほしい。時速18マイルだけど、ガレージに物を持って行くのにピックアップトラックが必要で、モデルTのピックアップが5千ドルくらいだった。木と革でできていて、ホームセンターにそれで行ったら最高じゃないか(笑)

      こうして車をいじるのは楽しいんだけど、同時に未来を定義し、人々の体験を創り出すというのが、まさに僕の日常の仕事なんだ。まるで、毎日父親と一緒にガレージで遊んでいる子供のような気持ちでね。

      Attachments:
    1件の投稿を表示中 - 1 - 1件目 (全1件中)
    返信先: 新型モデルY開発担当者Larsのインタビュー!日本語文字起こし
    あなたの情報:





    <a href="" title="" rel="" target=""> <blockquote cite=""> <code> <pre class=""> <em> <strong> <del datetime="" cite=""> <ins datetime="" cite=""> <ul> <ol start=""> <li> <img src="" border="" alt="" height="" width="">