テスラは2019年1〜3月までの決算報告を行いました。
個人的に気になった項目をさらりとご紹介していきます。
785億円の赤字
2019年Q1は785億円の純損失でした。
Q1終わった時点の資産は2420億円。ZEVクレジットの販売額は17億円ほど。
今期にこれだけ赤字を出してもこれだけキャッシュはあるので、昨年のような
『キャッシュが全然なくて超危ない!!』
というような状況は脱したかのようにも見えますが、、
昨年の大きな利益はサプライヤーに対する買掛金を戻してもらったり・・・などの黒い話がたくさんあり、今回の赤字はそのシワ寄せ?なんて思ったりしてます。
生産台数
2019年Q1の生産台数は以下の通りです。
生産 14,163台
配達 12,091台
モデルSとモデルX、2018年Q1では四半期あたり25,000台くらい売れてましたが、半分以下となってしまいました。
テスラはその要因として税控除の減少や75kWhモデルの販売停止を挙げています。その証拠に今回の決算報告前日、モデルSモデルXのスタンダードレンジモデルを復活させています。
しかもオートパイロットが標準搭載なったにもかかわらず、以前より1000ドル安での復活。
さらにさらに、航続距離、加速も10%増しという超正統進化を遂げて!
モデルSロングレンジの航続距離592kmへ
— テスカス (@model3yokohama) April 24, 2019
モデルXは520kmへ
モーターとサスペンション変更により実現
10%以上の電費改善
パワーとトルクは著しく増加
スーパーチャージャーV3対応200kw V2→145kw
※WLTP基準では610kmです。
以下の図はアウディ e-tronとの比較
黒がバッテリー容量で青が航続距離。
e-tronのバッテリー容量95kWh。モデルS、Xは100kWhです。
驚異的な航続距離ですよね・・・
他のSUV電気自動車(2.1から2.6マイル/ kWh)よりも少なくとも25%高いエネルギー効率を誇るそうです。
こういう論調で書くと
e-tronのフレームは堅牢だからしかたないのさ。
なんて言われかねませんが、そういう人はe-tron選べばいいと思います。
テスラ派もアウディ派もそれぞれのメーカーの戦略にまんまとハマってるだけですからね。
良くも悪くも。
次はモデル3です。
製造 62,975
配達 50,928
決算報告書には
『モデル3の新しい変種の導入のための製造プロセス、より少ない作業日数、そしてサプライヤーの制限』
などが納車遅れの要因として挙げられています。
ヨーロッパ市場向けはecallシステムの搭載が必須になっており、この辺りが変種だったりサプライヤー制限だったのかなあと。
こうなってくると右ハンドルモデルは需要も限られてくるので、より大きな納車遅れ、生産割合の少なさが予想出来ます。覚悟しておきましょう。
右ハンドルの生産時期
Ahem RHD
— Elon Musk (@elonmusk) April 12, 2019
ヨーロッパ向けの生産時期を例に予測してみます。
今回の報告でヨーロッパ、中国市場向けの車両は2019年Q1の前半に生産したと明らかになりました。
イーロンの予告ツイートから察するに、今月末までにはオーダーが開始、そしてQ2(4〜6月)の前半に生産開始、と考えることができます。
悪い決算報告から目をそらすためにも、いつオーダー開始してもおかしくないと思ってます。
69%が非プレミアム車から乗り換え
2018年Q4の決算報告でも触れられていましたが、相変わらずモデル3を買う人の大半は非プレミアム車からの乗り換えのようです。
テスラはこの現象を
『プレミアムセグメントを超えた魅力』
と表現しています。
2019年の見通し
兎にも角にも上海ギガファクトリーにかかっています。
2019年のQ4には上海GFを立ち上げて量産開始を目標としています。フル稼働すれば年間50万台規模ですが、いくらなんでも無理。
そのことはテスラも重々承知のようで
2020年6月30日には世界で50万台を超える車を生産することができる可能性は非常に高い
という表現に落ち着いています。ひとまずの目標として2019年内製造規模が36〜40万台が目標のようです。これは2018年と比較すると45〜65%の増加。上海GFの稼働がなければ難しい数字かも知れません。
2019年後半はソーラールーフやパワーウォールにも力を入れて行くとのことなので期待したいですね!!
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