テスラは4/27、2021年Q1の決算発表を行いました。
ポイントは以下の3つ
①純利益は過去最高の4億3,800万ドル。前年同期比で27倍!
②合計デリバリー台数は前年同期比で2倍成長!
③ギガテキサスとベルリンは2021年後半にモデルY生産開始!
デリバリー台数
モデルS・X | モデル3・Y | 合計 | |
2020 Q1 | 12,230 | 76,266 | 88,496 |
2021 Q1 | 2,030 | 182,847 | 184,877 |
モデルS・Xは前年同期から6分の1
モデル3・Yは2.4倍
合計のデリバリー台数は2倍となり、自動車が売れない第1四半期であるにも関わらず過去最高の納車台数となりました。
生産拠点
カリフォルニア・テキサス

ギガテキサス
フリーモント工場ではモデルYの生産が順調に進んでおり、フル稼働が目前となっています。テキサス州では、工場の建設が引き続き急速に建設中。2021年後半の生産・デリバリー開始に向けて順調に進んでいます。最近、工場内へ機器の搬入を開始し、一部エリアで試運転を行っているとのこと。
上海

ギガ上海
上海でもモデルYの立ち上げは順調に進行中。2021年は四半期ごとに生産台数が引き続き増加すると見込んでいます。中国からの部品調達率が90%以上に向上しコスト削減に貢献しています。欧州およびAPAC向けの車両輸出は引き続き計画通りに進んでいます。
ギガ上海で生産されたモデル3は2020年にヨーロッパへ、2021年には日本、オーストラリア、ニュージランドへの納入もスタート。モデルYの生産が順調に拡大すればアジア・パシフィック方面の期待に応える工場になるでしょう。
ベルリン

ギガベルリン
ヨーロッパではギガベルリンの建設が継続して進められており、2021年後半に生産・デリバリーが予定されています。ペイント、スタンピング、鋳造など機械類の搬入が続いています。工場を建設している間もヨーロッパでの販売は増加する見込みです。
コアテクノロジー
オートパイロット・完全自動運転
テスラはまもなく、完全自動運転のベータ版V9を米国で展開する予定です。テスラは完全自動運転に必要なのはカメラのみであると考えています。将来的に車からミリ波レーダーを取り除く予定でテスラが開発しているAIベースの完全自動運転はカメラさえあればOKと本気で考えているようです。
完全自動運転チームはビジョンベースの自律システムの進化に全力で取り組んでおり、米国市場をテスラビジョンに切り替える準備がほぼ整っています。
車両ソフトウェア
自動車業界では、地図やインフォテインメントシステムのインターネット接続によるソフトウェアアップデートが一般的になってきていますが、ファームウェアのアップデートはまだ稀です。
第1四半期には、世界的な半導体不足の問題を解決するため、新しいマイクロコントローラーへの移行を極めて迅速に行い、同時に新しいチップに対応するファームウェアを開発しました。

半導体不足が叫ばれる中、テスラの生産台数が衰えないのはこういった企業努力があったのですね。
バッテリーとパワートレイン
電池化学、電池設計、電池パック構造、パワートレイン効率、新しい熱管理システム、車両プラットフォーム設計の改善により、自動車の航続距離は年々大幅に伸びており、今後も伸びていくと考えられます。
EVの航続距離を伸ばすことは、より多くの内燃機関車ユーザーをEVに移行させるため不可欠。航続距離の改善はテスラの主要な優先事項のひとつです。
エネルギーストレージ
エネルギーストレージの販売は主にパワーウォールの人気に牽引され、前年同期比71%増となりました。パワーウォールの需要は引き続き生産量を大きく上回っています。その結果、パワーウォールはソーラーパネルとのセット販売のみに変更されました。今後、生産量が増えれば、セット販売をやめる予定とのこと。テキサス州での吹雪や停電により、パワーウォールのような製品を求める傾向が続いています。
ソーラールーフ・パネル

提供元:Tesla, Inc.
第1四半期の太陽光発電の導入量は92MWに達し、約2年ぶりに好調な四半期となりました。
ソーラールーフの導入量は前年同期比で9倍に増加しています。
サービス・その他
テスラの中古車ビジネスは、総販売台数が増加し、財務的にも改善を続けています。新車販売台数が増えるほどテスラの中古車事業は成長するため、今後の発展も期待できそうです。
さらに、サービスの拡大、カスタマーの待ち時間短縮、業務効率の改善にも引き続き注力しています。
今後の見通し
生産ボリューム
年平均プラス50%の自動車販売台数増加を見込んでいます。年によってはそれ以上の成長を遂げることもあり、2021年は75万台を大きく超えてきそうです。成長率はテスラの設備能力、運用効率、サプライチェーンの容量と安定性に依存します。
現金
2021年第1四半期に負債を12億ドル削減、ビットコインを15億ドル分購入したため、現金は171億ドルまで減少しています。しかしながら製品ロードマップ、工場拡張計画、その他の費用を調達するための十分な流動性があるとしています。
利益
テスラの営業利益率は長期的に成長を続け、生産能力の拡大や部品調達の現地化の計画が進行中であることから、引き続き業界トップレベルの水準を維持するものと期待しています。
商品
ギガベルリンとギガテキサスでモデルYの生産能力を構築しており、2021年に各拠点での生産とデリバリーを開始する予定。ギガ上海は今後さらに拡大しテスラセミも2021年にデリバリー開始する予定とのこと。
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