2017年、ダイソンは20億ポンドを投資予定としてEVプロジェクトがスタート。2020年正式発表予定であると宣言されていました。しかし、2019年10月にEVプロジェクトの中止を発表。「商業的に実行不可能」と宣言され、自動車産業への新規参入がいかに難しいものであるかを世間に知らしめる結果となりました。
2020年5月16日、ジェームズ・ダイソンはTHE SUNDAY TIMESに秘密のEVを遂に披露。試作車の概要を語りました。
航続距離960km、0-100km/hは4.8秒
2020年に正式発表される予定であった幻のダイソンEVのコードネームは「N526」。もし正式リリースされていたなら世界で一番長い航続距離(960km)を持った7人乗りのEVになっていただろうと語られました。実にモデルXの1.9倍(WLTP基準507km)にあたります。
ダイソンは独自に全固体電池の研究を進めており、この驚異的な航続距離は真冬のアウトバーンを暖房MAXで走行するにはピッタリでしょう。
さらに総重量2,600kgであるにも関わらず、0-100km/hは4.8秒!※モデルXロングレンジは2,533kg、0-100km/hは4.6秒。
エクステリアはレンジローバーに似ており、サイズは全長5メートル、全幅2メートル、全高1.7メートルで、フェラーリを超えるフロントガラス角度、どんな車よりも大きいホイールが特徴との事。
見た事ないシート
まるでモーターショーに展示されている「未来の自動車」のようなシートはジェームズ・ダイソン曰く「全体的に腰のサポート力が向上するように設計されている」らしい。
インテリアにはディスプレイは無く、ヘッドアップディスプレイを用いて「ホログラムのように顔の前に浮かんでくる設計」であるとの事。
プロジェクトに費やした金額
ジェームズ・ダイソン氏はこのEVプロジェクトに約5億ポンド(648億円)費やし、これを回収するには車両価格を15万ポンド(約2千万円)に設定する必要があったと述べました。
ダイソンによるEVプロジェクトそのものは頓挫してしまいましたが、全固体電池、センシング技術、ビジョンシステム、ロボット工学、機械学習、AIの開発は引き続き行われています。
いつかまた自動車にチャレンジするか、という質問に対してジェームズ・ダイソンは「商業的に実行可能になったら再チャレンジする」と回答。
いつかダイソンのEVに乗れる日が来るといいですね。
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