テスラ2020年Q3純利益3億3100万ドル。過去最高の売上を記録!

こんにちはテスカスです!

10/22、テスラは2020年第3四半期の決算報告で純利益3億3100万ドルの純利益を報告。また売上高は前年同期比を39%上回る約88億ドルとなり過去最高を記録しました。

決算の内容と質疑応答を日本語で紹介します。

※当記事は2020年10月22日 09:10投稿時点での情報です

デリバリー台数

  Model S,X Model 3,Y 合計
2020年Q3 15,275 124,318 124,318
2020年Q2 10,614 80,277 90,891
2020年Q1 12,230 76,266 88,496
2019年Q4 19,475 92,620 112,095
2019年Q3 17,483 79,703 97,186
2019年Q2 17,722 77,634 95,356
2019年Q1 12,091 50,928 63,019

世界中からの需要に応えるため生産能力を急激に伸ばした結果、コロナの影響など無かったかのような成長率を維持しています。

モデルS、モデルXは内外装のリフレッシュがあまり行われておらず、デリバリー台数に陰りを感じますが、モデル3、モデルYは堅調な伸びを示しています。

生産拠点

生産キャパシティ 状態
フリーモント モデルS,X 90,000 稼働中
  モデル3、Y 500,000 稼働中
上海 モデル3 250,000 稼働中
  モデルY 建設中
ベルリン モデル3 開発段階
  モデルY 建設中
テキサス サイバートラック 開発段階
  モデルY 建設中
カリフォルニア テスラセミ 開発段階
  ロードスター 開発段階

フリーモント

フリーモントのモデル3、モデルYの生産能力は前四半期から10万台増強され年間50万台規模となりました。モデルY生産時に使われる世界最大のダイキャストマシンも導入し、年末から年明けにかけてフル生産が開始されます。

年末には日本でもモデルYの注文ページがオープンするかも知れませんね。

上海

モデルY生産工場(手前) モデル3生産工場(奥)

モデルYダイキャストマシン

モデルYボディショップ

モデルYペイントショップ

モデル3の生産能力が前四半期から5万台増強され年間25万台規模になりました。

補助金適用後の価格を249,900元(約390万円)に引き下げ、中国最安値のプレミアムミッドサイズセダンとなりました。バッテリーの低価格化と各パーツを中国国内で生産することにより実現。需要が増えた結果、工場の生産人員シフトを2交代から3交代に増強しました。

ベルリン

ギガベルリン

ギガベルリンではまず最初にモデルYの生産を開始します。建設は急ピッチで進んでおり11月には生産設備の搬入が始まり、2021年に生産開始予定。

ここには新しい塗装設備が導入され、ボディの新色登場も予告されています。

コアテクノロジー

オートパイロットと完全自動運転

ニューラルネットによる交差点の把握

テスラのオートパイロットチームは、ニューラルネットワークと制御アルゴリズムの根本的なプログラムの書き換えを実行。これによりまだ実現できていない残りの機能をリリースすることが可能になります。
10月にはFSDソフトウェアアップデート第1弾を、限られた数のアーリーアクセスプログラムのユーザーに配布しました。
今後も時間をかけてデータを収集していくことで、システムはより強固なものになっていくでしょう。

車両ソフトウェア

Q3開始時からソフトウェアの新機能を導入しました。不正アクセスから守るために、スマートフォンからの2段階認証を可能にする機能を導入。

その他にも、アクティブサスペンションの快適性の向上、Powerwall-to-vehicle充電連携のアップデート、自動ウィンドウクローズ機能の追加、グローブボックスのPINアクセスの追加など、多くのアップデートを実施しました。モデルY AWDのオーナーは、2,000ドルのソフトウェアアップデートを購入することで0-60mphタイムをわずか4.3sにする事ができます。

バッテリー&パワートレイン

9月22日、テスラはバッテリーデイを開催し、1kWhあたりのバッテリーパックコストを56%削減し、収益性の高い25,000ドルの車両の生産を可能にする道筋を説明しました。

これは、内燃機関車とのコストパリティを超えるための重要な要素であり、セルの製造プロセスが単純化されたことにより、電池容量1GWhあたりの設備投資は、現在の製造プロセスと比較して69%減少します。

エネルギー事業

メガパック用のバッテリー生産量が過去最高の759MWhを記録。

ソーラールーフとソーラーパネルの人気も相待ってパワーウォール需要も依然として高まっているとのこと。テスラのソーラーシステムは1ワットあたり1.49ドルで、業界の3分の1以下の価格です。ソーラールーフの設置量は前四半期比で約3倍に増加しています。

テスラはソーラールーフの施工が1.5日間で終了するようなプロセスを実験中。エネルギー事業でも再生可能エネルギーへの移行を加速しており、将来的には自動車部門と同程度の売上を見込んでいます。

1日目の朝

1日目の正午

2日目の午後2時

今後の見通し

2020年のデリバリー台数目標は50万台。

これを実現させるにはモデルYの売れ行きとギガ上海での生産拡大と物流とデリバリーの効率向上にかかっているとしています。

いささか乱暴ではありますが50万台デリバリーを達成させるには今まで以上にデリバリー体制が適当になる事が考えられます。テスラにとって大事なのは「持続可能エネルギーへの促進」だということを忘れてはいけません

質疑応答

Q)FSD(完全自動運転オプション)は乗り換えた新しいテスラ車に移行できるか?

イーロンマスク

少し考えてみるよ。

Q)ヒートポンプを用いた住宅用空調システム参入の話はどうなった?

イーロンマスク

まだプロトタイプは作って無いけど、テスラが開発したヒートポンプは住宅でも使えると思う。給湯器や蓄電池など住宅設備全体の熱管理システムと統合した製品になると思う。

Q)デリバリー目標を達成し続けるためには利益を削って価格を下げる必要あるけど、まだ価格を下げ続けるの?

イーロンマスク

より多くの人にリーチするため、今よりもっと手ごろな価格にする必要があると思っている。コスト削減は継続していくけど、自動運転が実現すれば今の利益はちっぽけに見えるだろう。

テスラの車両ラインナップのすべてを値下げしたにもかかわらず、販売台数と利益を拡大した。コスト削減と同時に車の魅力を向上させている。

Q)2025年の目標は?中期的な目標が知りたい

イーロンマスク

テスラは2030年に2000万台の生産を目標としている。指数関数的な成長が必要なので中間を予測するのは難しい。

Q)テスラの垂直統合プロセスについて教えて

イーロンマスク

自分たちが欲しいものが既製品で存在しないので自分たちで作っている。非常識なやり方かも知れないが今のところうまく行ってるし、他社に真似されにくい製品作りができる。

Q)ライダーが無料だったら自社製品に使うか?

イーロンマスク

使わない。

Q)サイバートラックの進捗状況は?

イーロンマスク

発表した時よりも小さな改善をたくさん加えている。
エクソスケルトン(従来のようなフレームを使わない構造)は製造時に課題にぶつかると思う。うまくいけば2021年の終わりにデリバリー開始。遅くとも2022年には大量生産が実現していると思う。

Q)テスラSEMIのメガチャージャーと自動運転について教えて

イーロンマスク

SEMI用のメガチャージャーは開発中。350kWでも足りないので他の方法も検討している。
将来的に全ての輸送手段は自動運転になると考えている。SEMIも例外では無い。